旧中川と荒川は東砂町と小松川のあたりで接している。しかし、旧中川は江東ゼロメートル地帯の中にあり、海に注ぐ荒川の水位は当然のことながら堤防の外の地面よりも高い。旧中川の水面はそれ以下というわけで、水位差はおよそ3メートルある。
荒川ロックゲートは、この水位差を越えて旧中川と荒川の間を船が行き来するための施設である。要するにパナマ運河で使われているやつだと思えばいい。
これは荒川側のゲートである。
こちらは閘門の中と旧中川側のゲートである。両脇にベンチのようなものが並んでいるのはイベントでもやるつもりなのか?
周囲にはなぜか風力発電機が並んでいる。若洲公園に展示されている風車を調べた成果で、以下の写真の中の遠い方の風車は、ダリウス型にサボニウス型を組み合わせたものだということがわかった。ダリウス型は揚力を使うので効率はいいのだが、止まっていると始動しない。そこでサボニウス形を組み合わせるという発想だろうというのはだいたい見当がつく。ちなみに、これは、いわゆる「つくば市の回らない風車」で問題になった構成らしい。ここでは回っていたので、風の条件が悪くなければ機能するのだろう。
手前のねじれた形のは、サボニウス型のバリエーションである。
荒川側のゲートの開閉のためのケーブル。
ゲートの様子。閘門の内部は旧中川の水位になっていたので、水位差をみることができる。
こちらはちょっと北にある大島小松川公園の中にある旧小松川閘門のゲートの頭の部分である。1970年代まで、ここで船が通行していた。このあたりの土地は、都営新宿線の用地として買収されたあと、六価クロムで汚染されていることが発覚し、還元処理をしたあと埋められた。この閘門の大部分が埋められているのもその事件の関係というのが真相らしい。
以下は概観図である。荒川ロックゲートに隣接しているのは小名木川排水機場である。工事しているのは小松川第二ポンプ所。完成は2013年ということなので、まだ先である。
ピンバック: 荒川ロックゲートを船が通過する様子まとめ « The City and the City Only
ピンバック: 扇橋閘門見学 | The City and the City Only